前立腺ガン手術後の鼠径ヘルニア

あまり知られていない前立腺ガンの手術合併症として、鼠径ヘルニアというものがあります。いわゆる脱腸のことです。

これは前立腺ガンで手術を受けた患者さんの約10%ぐらいの方がなるというデータもあります。ということは前立腺ガンの手術件数が年間約2万件ぐらいですから、2000人ぐらいの方が手術後の鼠径ヘルニアを発症していると思われます。

これはかなり多い合併症と思いますが、意外と前立腺全摘術の説明では軽く触れられる程度で終わることが多く、頻度の高い合併症の割には軽視されている兆候があります。尿漏れや勃起不全についての説明は詳しくされても、鼠径ヘルニアを知らなかったという方は少なくありません。

前立腺ガンで手術を検討される方は、鼠径ヘルニアのリスクも考慮に入れた方が良いと思います。鼠径ヘルニアは薬で治すことができず、手術以外に治療法がありません。日帰り~4日間程度の入院となる場合が多いようです。


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